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認知症

認知症とは

認知症は、記憶力、思考力、判断力などの脳機能が低下し、日常生活に支障をきたす病気の総称です。高齢者のおよそ10人に1人が認知症と言われており、加齢により発症率は更に高まり、100歳を超えると半数以上が認知症と考えられています。一方で、若年性認知症と呼ばれる働き盛りの年齢で発症する認知症もあります。

3〜4人に1人が65歳以上という超高齢社会を迎えている日本において、認知症は、本人にとっても、家族にとっても、大きな負担となる病気です。しかし、早期発見・早期治療、適切な介護やサポートを受けることで、症状の進行をある程度抑え、日常生活の質を向上させることができます。認知症についての理解を深めることが大切です。

このページでは、認知症の症状、種類、治療法、地域のサポートについて、分かりやすく説明します。詳しくは、医師にご相談ください。

認知症の症状

認知症の症状は個人差が大きいため、一概にこうとは言えませんが、多くの場合に次のような症状が現れます。

記憶障害
  • 最近の出来事を思い出せない
  • 約束を忘れる
  • よく物をなくす
  • 同じ話を何度も繰り返す
  • 以前よく知っていたことが思い出せない
思考力・判断力の低下
  • 簡単な計算ができない
  • 判断が鈍くなる
  • 意思決定が困難になる
  • 計画を立てたり、実行したりするのが難しい
  • 状況を把握するのが難しい
行動の変化
  • 落ち着きがなくなり、徘徊する
  • 突然怒り出すなど、攻撃的になる
  • 心配事が増え、憂鬱な気分になる
  • 周囲の人や出来事に無関心になる
  • 社会的なルールを守れなくなる
  • 身だしなみに無頓着になる
言葉の障害
  • 適切な言葉が思い浮かばない
  • 言葉の意味が理解できない
  • 呂律が回らなくなる
  • 言葉の発音が変になる
  • 言葉の意味が分からなくなる
その他
  • 性格が変わる
  • 存在しないものが見えたり、聞こえたりする
  • 実際にはあり得ない妄想を抱く
  • 食欲が極端に落ちたり、逆に食べ過ぎたりする
  • 失禁などトイレのトラブルが増える

これらの症状は、進行度によって程度が異なります。軽度であれば、日常生活に大きな支障をきたさずに生活できる場合もありますが、重度になると、介護が必要になります。

認知症の種類

認知症には、様々な種類があります。代表的なものは以下のとおりです。

アルツハイマー型認知症

最も多いタイプの認知症で、全体の約60~70%を占めます。近似記憶の障害から始まることが多く、脳内の神経細胞が徐々に失われていく病気です。

レビー小体型認知症

アルツハイマー型認知症に次いで多いタイプの認知症で、全体の約10~20%を占めます。認知機能の低下以外にも、症状の日内変動や幻視、レム睡眠行動障害(いわゆる、激しい寝ぼけ状態)、パーキンソニズム(動きが遅くなる、震え)といった特徴的な症状がみられることが多いです。脳内にレビー小体と呼ばれる異常なたんぱく質が蓄積される病気です。

その他の認知症

他にも血管性認知症、前頭側頭型認知症など、様々な種類の認知症があります。

また、水頭症や硬膜下血腫といった頭蓋内病変や、甲状腺機能低下といった身体的な問題によって生じる認知症は、Treatable Dementiaと言われ、その原因の治療によって回復しうる可能性があります。

軽度認知障害(MCI)

最近注目されている概念で、加齢による記憶力や思考力などの認知機能の低下が認められるものの、日常生活に大きな支障をきたすほどではない状態を指します。認知症の前段階と捉えることもできますが、必ず認知症に進行するわけではありません。適切な対応と定期的なフォローが必要です。

認知症の治療法

多くの認知症において、根本的な治療法はまだありません。しかし、下記の通り、症状の進行を抑えたり、日常生活を改善したりするための方法はあります。

薬物療法

認知症の原因物質と考えられる神経伝達物質の働きを調整する薬や、脳血流を改善する薬などが使用されます。

非薬物療法

認知症体操やリハビリテーション、介護保険サービスの利用など、症状や状態に合わせて様々な非薬物療法があります。

環境調整

住み慣れた環境で生活できるよう、住居や家具などを工夫したり、家族や介護者が認知症について理解を深めたりすることが大切です。

※2023年12月から軽度のアルツハイマー型認知症に対して、根本的な原因を改善するレカネマブという新しい治療薬が日本でも発売されました。しかし、現状では限られた専門施設でのみ実施可能な治療法となっています。その他の多くの認知症においても、根本治療の研究が今も多く進められています。

地域のサポート

認知症は、本人や家族だけでは抱えきれない問題が出てくることが多くあります。そのような場合でも、地域のサポートを活用することで、認知症の人とその家族が安心して暮らせる環境を作ることができます。

地域サポートの例
  • 認知症カフェ:認知症の人とその家族が交流できる。
  • 介護者向け教室:介護に関する知識や技術を学べる。
  • 訪問介護:自宅で介護サービスを受けられる。
  • ショートステイ:短期間、施設で介護を受けられる。
  • 認知症サポーター養成講座:認知症について理解を深め、認知症の人とその家族を支えることができる。

相談先

地域包括支援センター

高齢者の総合的な相談窓口です。認知症に関する相談や、介護保険サービスの利用に関するアドバイス、介護事業所の紹介など、様々な支援を受けることができます。

認知症疾患医療センター

認知症の専門医療機関です。診断、治療、介護相談など、様々な支援を受けることができます。

その他

市区町村のホームページ、介護保険サービスの事業所、NPO法人、ボランティア団体など、認知症に関する情報提供や相談、介護者向けの教室や交流会などを開催している団体や施設はたくさんあります。

困ったときは一人で抱え込まずに、地域のサポートを活用しましょう。

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