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双極性障害

双極性障害(そううつ病)とは

気分の浮き沈みが激しく、そう状態とうつ状態を繰り返す病気です。

私たちはみな、気分が良い日と気分が悪い日があります。良いことがあると気分が晴れやかになり口数も増えますが、辛い事があると気分は落ち込み口数も減ります。しかし、双極性障害(そううつ病)の方は、健康な方に比べ、気分の浮き沈みが大きく、また持続時間が長く、日常生活に支障が出てしまう事が特徴です。「気分が高揚する」「人が変わったように馴れ馴れしくなる」「眠らなくても元気」などの症状が4日~1週間以上、ほぼ毎日、1日の大半続くようなら双極性障害(そううつ病)の可能性があります。
双極性障害(そううつ病)の発症年齢は18歳前後が多く、うつ病の発症年齢より低いと言われています。一生のうちに双極性障害(そううつ病)になる患者さんは約100人に1人と言われており、決して珍しい病気ではありません。
このページでは、双極性障害(そううつ病)の概要について説明するとともに、症状、原因、治療法について分かりやすく解説します。

双極性障害(そううつ病)の症状

そう状態では、以下のような症状が現れます。

  • 気分が高揚し、幸せな気持ちでいっぱいである。
  • 掃除などに異常に熱中したり、知らない人に積極的に話しかける。
  • いらいら感が強くなり、怒りっぽくなる。
  • 自信過剰になり、自分の才能などを誇大的に考える。
  • 睡眠時間が短くても元気で、眠りたいと思わなくなり、何日も眠らなくても疲れを感じない。
  • 大きな声で早口で話し、一方的に何時間も話し続ける。
  • 会話の途中で何度も話題が飛んだり、だじゃれを連発する。
  • 些細な事で気が散る。
  • 気の向くまま様々な活動に、計画性がないまま手掛ける。
  • 買い物、ギャンブル、性行為などに熱中する。

うつ状態では、以下のようにうつ病のような症状が現れます。
うつ病のページも参考にして下さい。

  • 気分が落ち込む、気が滅入ってしまう
  • 何をやっても楽しくない、好きだったテレビを見なくなった
  • 疲れやすく、だるくて元気が出ない
  • 食欲がなく、体重が減った
  • 食欲が増した
  • 早朝に目が覚めてそこから一睡もできない、夜寝付けない、途中で何度も目が覚める
  • 考えがまとまらない
  • 不安がある、じっとしていられず無目的に歩き回ってしまう
  • 何をするのにも億劫だ
  • 自分には価値がないと思う
  • 頭がまわらなくなった、集中力がなくなった
  • 死について考えてしまう

双極性障害は、うつ病とは異なり、そう状態を経験するのが特徴です。しかし、うつ状態が長引いたり、症状が重いケースも多くあります。

双極性障害(そううつ病)の原因

双極性障害(そううつ病)の原因は完全には解明されていませんが、遺伝的要素、性格傾向、ストレスなどが複雑に絡み合っていると考えられています。
うつ病と比べると遺伝的要素は強く、社交的で、他者と同調して生きようと努める性格傾向の方が双極性障害(そううつ病)になりやすいと言われています。また、元々エネルギー水準が高く活動的な方は、特に激しいそう状態になると考えられています。

双極性障害(そううつ病)の種類

双極性障害(そううつ病)は、主に以下の3種類に分類されます。

1. 双極Ⅰ型障害

はっきりとしたそう状態とうつ状態を繰り返します。

2. 双極Ⅱ型障害

軽そう状態という比較的軽くて期間の短いそう状態と、うつ状態が繰り返される状態です。

3. 気分循環性障害

そう状態とは判断できない程の気分の高揚と、軽めのうつ状態を繰り返している場合です。
双極Ⅱ型障害は、初対面では精神科専門医であっても、残念ながら軽そう状態に気付く事が難しい場合もあり、うつ病の診断で治療が開始されることがあります。経過を追っていくうちにうつ病が否定され、双極Ⅱ型障害と診断が変更されることがあります。

双極性障害(そううつ病)の治療法

双極性障害(そううつ病)の治療法には、休養、薬物療法、修正型電気けいれん療法(m-ECT)、再発予防療法があります。

休養

まず、ご本人と周囲の人が病気を理解し、「こころ」と「からだ」をできるだけ早く十分に休ませることが重要です。簡単な事のように思いますが、実際にはそう状態の時は自分が病気であることを認識する事が難しい場合が多く、休養と治療の必要性を簡単には受け入れてもらえない事が多いです。当院では、まず患者さんと患者さんのご家族に病気の説明をさせて頂き、休養をとるためにどのような環境づくりをしていくかを共に考えご提案させて頂きます。症状の重さに応じ、休職、休学が必要な事もあります。

薬物療法

主に気分安定薬、抗精神病薬が使用されます。気分安定薬は、気分の波を小さくする薬で、抗精神病薬は主に統合失調症に使用される薬ですが、双極性障害(そううつ病)にも効果的と言われています。症状によっては、抗不安薬や睡眠薬を使用することもあります。

修正型電気けいれん療法(m-ECT)

全身麻酔下で筋肉を緩めさせる注射をし、けいれんを起こさずに頭部に通電を行う方法です。そう状態に対して、ある程度有効であると言われています。

再発予防療法

症状が強い時の治療と並んで、いかに再発を防ぐかということが重要です。そう状態における問題行動やうつ状態による長期の休職などは、社会生活に重大な障害を残す疾患です。また、双極性障害(そううつ病)は、ほとんどの場合再発するため、社会生活水準の低下を防ぐためには、予防療法が何よりも重要です。予防療法で重要なのが、薬物療法と心理社会的治療です。患者さんと患者さんのご家族が疾患を受け入れ、再発の徴候を共有し、患者さん、患者さんのご家族、医師で治療同盟を確立し治療していくことが必要です。また、社会リズムの乱れが再発のきっかけになる事が多く、睡眠、対人関係などに関してもアドバイスさせて頂きます。
双極性障害(そううつ病)かもしれないと感じたら、一人で抱え込まず、早めにご相談下さい。

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